欧州から始まった鉛規制の影響で電気製品への鉛フリーハンダの採用が増えています。当社では3000年の歴史のある鉛入りハンダと最新の鉛フリーハンダの2種類を化学メーカーと共同で開発しました。
鉛入りハンダの歴史は数千年と長く、トラブルが少ない信頼性の高いハンダです。鉛規制のある欧州でさえ信頼性が重視される宇宙開発、航空機、医療機器、軍事製品などには使用が許されています。
鉛入り共晶ハンダの液相温度(溶ける温度)は183℃とJEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)推奨の鉛フリーハンダの液相温度(220℃)より低く、ハンダ付け性、ぬれ性、耐久性が優れたハンダです。NIDEONでは熱容量の大きなAZ-1プラグにあわせたハンダシステムを開発し、日本やアメリカなど鉛規制の無い国ではこのハンダを標準ハンダとして採用しています
欧州など、鉛規制のある地域へは鉛入りハンダ製品の輸出はできません。これらの地域にお住まいのお客様へは鉛フリーハンダで製造した製品をお出しいたします。
鉛規制のある国や地域、環境を考慮されるお客様向けにJEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)が推奨するSn-Ag-Cuの3元系ハンダを基本にフラックス技術を改良した鉛フリーハンダを開発しました。ハンダ単体の抵抗値は鉛入りハンダより低くなります。※1
Sn-Ag-Cuの鉛フリーハンダは鉛入りハンダに比べて抵抗値は低いハンダですが、鉛入りハンダでは大きな問題にならなかったハンダ付け温度の上昇、ぬれ性の悪化など、鉛フリーハンダが持つ問題が発生します。これらの問題については、後に示す熟練したハンダ職人の技と新開発のフラックスを組み合わせて世界最高レベルのハンダ付けを行います。
活性度の高いフラックスを使用しますので、当社開発のフラックス洗浄システムによりフラックス残渣を最小にしています。
鉛フリー規制の無い地域のお客様におきましても、鉛フリーハンダをご希望されるお客差へは鉛フリーハンダで製作いたします。注文時に「鉛フリーハンダ」とご指定下さい。
※1 鉛フリーハンダ(Sn-Ag-Cu)の抵抗率は通常ハンダ(Pb-Sn)に比べて富士通様の技報では約30%、松尾ハンダ様の文献では約15% 抵抗値が低く報告されています。