人間が聞き分けられる周波数は20Hzから20000Hzと言われています。弊社代表取締役の米澤が、電機メーカーの研究所に勤務していた時代、多くの大手メーカーからケーブルの音響特性について測定依頼がありました。彼らが持ち込んだケーブルで音声信号の減衰を調べても20Hzから20000Hzの周波数の間では特性の違いを明確に数値で判別する事はできませんでした。我々はケーブルによる音の差があるのか?と言う「命題」を解く所から開発を開始しなければなりませんでした。
60種類を超える各種構造のケーブルを試作し、中身が分からないようにしてプロの音楽関係者に聞き分けテストを行ってもらいました。すると、ある種の構造のケーブルを「好みの音」だと判断するミュージシャンが多いことが分かりました。また、単に電気抵抗、誘電率、誘電正接、誘導係数を小さくしただけではプロが好む音のケーブルにならないことも判明しました。彼らプロミュージシャンと2年以上に渡りブラインドテストと電気特性の測定を行い、彼らが「音のバランスが良い。音圧がある。ボリュームが上がったように感じる。」と結論を下したケーブルを、経年変化が起こらない構造で製造しました。その開発経験がオーディオケーブル、イヤホンケーブルにも応用されています。『原音を減衰なくストレートに伝える』 これがNIDEONすべてのケーブルに課せられた命題です。
音を決定する要素の多くがケーブルにありますが、ケーブルの特性を100%引き出すために、プラグの開発、ハンダの開発も行いました。詳しくは プラグへのこだわり、ハンダへのこだわり、メッキへのこだわり、をご覧ください。
「音が出ない」などのトラブルの多くはシールドケーブルの断線が原因でした。今まで不良となったケーブルを調査した結果、ハンダ付け部でのはんだ不良、プラグ内部のカシメ部分の接点不良、ハンダ劣化による腐食など、プラグ起因のトラブルが一番多く、それに続くのがケーブル内の銅線の切断の順でした。これらの問題を解決することが NIDEON の大きな使命だと考えています。その一つの答えがNIDEON独自の断線防止機構です。
NIDEON
ではプラグのカシメ部を無くした一体構造のプラグを開発し、ケーブル、ハンダ付け部分に応力がかからない当社特許構造を採用しました。くわえて、半導体関連工場で特殊な微細ハンダ作業に20年以上従事した技術者2名だけによるハンダ作業と半導体関連工場で採用されている洗浄工程をシールドケーブルに応用した、当社独自の洗浄システムを採用することにより、今までの断線トラブル、ハンダ部分の劣化を大幅に低減することに成功しました。
その他のケーブルにおいても、プラグジャケットの接続部分の構造、最適な接着剤の使用などで断線を防止する機構を設けています。